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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第20章 兄妹の、可能性
「なにか、あるんですか?」
お風呂は、行為の前座か後始末くらいにしか今では思えない。前は、長風呂でゆっくり入るのが好きだったのに・・・今では苦痛だ。
「さぁ、掴まって。」
「はい・・・」
家政夫の首に腕を回す。拒絶など意味がないので素直に従った。
「(ずいぶんと素直ね。)」
弱々しい腕の力を感じながら少女を抱き上げる。食事を出しても殆ど摂らない身体は、抱き易過ぎる。
抵抗もなくバスルームに移動し服を脱がしてバスチェアに座らせる。
「今日は、ゆっくり入れますよ。」
「なんで、ですか・・・?」
優しさに慣れていたハズなのに今では、優しさを疑い恐れるようになってしまった。
“なにもされない”ことに疑問を抱いてしまうほどだ。
「今日は、旦那さまとお出掛けよ。いつぶりの外かしら。」
「“お出掛け”・・・?」