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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第20章 兄妹の、可能性
「ええ。今日は、外にお出掛けよ。旦那さまから支度の物は、預かったわ。
私が全てしてあげるから。」
戸惑っている少女にシャワーのお湯を掛けてやる。
「そんなに震えないで。大丈夫よ。」
条件反射なのか身体を洗うと微かに震える。
「・・・どこに、行くんですか?」
「さぁ、ね・・・。でも〝イイ処〟では、ないわね・・・きっと。」
少女に優しい言葉など掛けられない。外に出す気もなかった主が着飾って〝どこかへ〟連れて行くと言うのだから・・・ろくなことがないだろう。
「さぁ、お湯に浸かりましょう。」
抱き上げてバスタブに移す。
「私は、準備をしに1度出るので寝ないでね。溺れたら危ないわ。」
「はい・・・」
返事をすると家政夫は、出て行った。1人でお湯に浸かるのは、いつ以来か覚えていない。しかしホッとする。