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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第22章 最初の腕<カイナ>へ・・・
帰った家で〝お仕置き〟と称して〝なにを〟されるか判らない。いまは、なによりも兄が怖いのだ。
「月良さま・・・いったい、〝なにを〟されておいでですか?」
ギュッと手を握り締めて兄の姿を目で追いながら答える少女の身体が震えている。
「もう、行って下さい。」
兄の視線がこちらに向かないかが気になってしまう。
「月良さま・・・失礼致します。」
「彼方さっ・・・んっ!!?」
素早く抱き上げられ口をふさがれ兄の目の届かない人影を通って会場を出されてしまった。
「申し訳ありません、月良さま。こちらでお待ち下さい。」
会場を出てすぐ目の前の薄暗い部屋に少女を下ろして部屋を出る。
ガチャンッ
鍵がかかったのが判りドアノブを握って回してみる。
「彼方さんっ!!」
ドア越しに声を掛けても反応は・・・ない。