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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第31章 迫る終わりの罠
「ん・・・・・・っ」
身体が重怠い。
「起きたか、月良。」
「・・・はい。」
ゆっくりと身体を起こし声の主を探す。椅子に座っている人影を確認した。
「おはよう、ございます・・・ご主人さま。」
今が何時かも判らないがそう挨拶をした。
「〝ご主人さま〟・・・ね。いい響きだな、月良。でも・・・間違えたらお仕置きが酷いんじゃないのか?」
「っ?!!」
ハッキリとして視界に映った人物にビクッと身体が震えた。
「やっと、気が付いたか。」
「恵見、さん・・・・・・どう、して・・・ッ」
立ち上がり近寄って来る男に身体が強張る。なんとか言葉を返せた。
「愚問だろう?ここの防犯システムは、簡単なんだよ。それにお前を閉じ込めてる割には、関心薄いよな。」
「お兄ちゃん、奈音さんは・・・?」