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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第32章  それは、新たな罠
  


 家政夫の奈音は、出所し家を改築し始めた頃〝全てを知っているし全てに協力する〟とやって来た。しかし乙女家や周りのことになぜ詳しくなぜ自分の所に来たのかは、知らない。
 しかし乙女家の主治医である汰音の双子の片割れだと知っていた。だから受け入れた。


「さて、話してもらおうか。」


「俺に家政夫の話しをなぜ訊くんですか?」


 答えたくない意思表示の為に質問返しをした。


「汰音の双子の片割れだと、訊いているよ。」


「でしたら汰音医師<センセイ>に訊いて下さいますか?」


 コーヒーを一口飲み込んで相手に返す。


「汰音で事足りるならそうしたが・・・君の所に居るのだから君に尋ねるのが筋かと思ってね。さぁて。彼は、君の家政夫になぜなったんだい?」


「急に現れたんですよ。出所してから・・・〝雇ってくれ〟と。会長は、汰音を雇ったのはなぜですか?」


  
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