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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第35章 与えられる快楽
しかし有難いことに義妹は、学力が並みで俺が常に勝てていた。どんなに本妻が義妹の後継者としての擁立を望んでも能力のない人間に容赦ない父の目に留まることはない。
それが強みだった。真剣に他人を思うことはない。余計なモノは、要らない。息抜きならいつでも出来る。
だから邪魔者を陥れるのは、簡単だった。義妹の配偶者の座を狙う男を見逃すこともなく俺は、注視していた。
1人は、顧問弁護士。義妹がすぐに熱を上げたイケメンであり学歴も一級。そして、野心も・・・。
もう1人は、受付係。こちらも容姿端麗であり学力もいい。しかし貧しく育ち妹を抱えていた。
それでも野心は、一級品だ。
こうして義妹の周りには、利用してのし上がろうとする人間が集まっていた。
俺は、見張っていたんだ。どいつが先に角を出すのかを。そうして義妹は、簡単にことを進めてくれた。