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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第37章 終わりに向けての道程
周りでは、さっきまで話しをしていた男たちが虫の息で倒れている。そして目の前では、狂気を抱いた男が居る。
「兄さんを、助けたいか?」
狂気が降り注ぐ。
「助けたいのなら、判るよな?」
「それは・・・・・・」
男の求めは、理解していた。
「言うことを訊くのなら解毒剤をやるぞ。」
「〝解毒、剤〟・・・」
「そうだ。即効性のある毒じゃないがな。ここは、山奥がからな。」
目の前にしゃがみ込んで悪魔のように拒否権をくれない物言いをされて答えなど一つに決まっている。
「〝どうして〟・・・私なんですか?」
震える声で言えたのは、それだけだった。
「〝どうして〟?前にも言ったよな。
お前は、男を狂わせる。俺だってどうしてこんなにお前を忘れられないのかが判らねぇよ。でも、お前が欲しい。」