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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第37章 終わりに向けての道程
「っ・・・・・・」
アゴを掴まれた。
「お前は、〝悪魔〟だよ。兄貴まで惑わしたんだからな。」
「私は・・・なにも、してません。」
「それが〝悪魔〟だって云うんだ。無意識下で男たちを惑わせて狂わせる。あの他人に興味のない椥がお前を手元に置きたいと思うまでになったんだから。」
男の言葉が胸に刺さった。たとえ兄の行為が自分に対しての贖罪を求めるものだとしても、その行為を選んだのには男の言うような理由もあったハズだ。
「さぁ、俺を唯一の主だと受け入れろ。」
「あ・・・・・・」
逃げ場などない。兄を助けなければ・・・
「お兄ちゃん・・・っ」
男の提案を受け入れる為に意識を失った兄の傍まで這って近付く。
「ダメ・・・だ、ぞ・・・・・・ッ」
「お兄ちゃんっ!!」
兄が薄目を開けて反応している。