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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第37章 終わりに向けての道程
目の前で自分を攻撃してきた少女に跳びかかり押し倒した。
「俺に、勝てると・・・思ってんのか?」
「あなたは・・・強敵じゃ、ない・・・・・・」
首を押さえ付けられながらも真っ直ぐ見つめ返して男に告げる。
「月良っ、そんなに・・・」
「いい、ですよ・・・(あなたに、負けたりしない・・・)」
男に盛った毒が回り始めたのか首を押さえる手が震えている。気持ちでは、負けない。負ける気は、しない。兄が助かれば自分の勝ちだ。
「そんなに死にたいなら、望みを、、、叶えてやろう・・・」
「構い、ません・・・」
意識が朦朧としてくる。男の手も力が弱まって来た。
「(お兄ちゃん・・・・・・)」
「っ、・・・くっ。」
男の身体が自分に被さって倒れてきた。
「・・・恵見、さん?」
首を押さえ付ける手が外れた。