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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第37章 終わりに向けての道程
男の微かな吐息が訊こえる。
「っ、ゲホッ・・・」
首への圧迫が薄れ一気に空気が入ってきて咳き込んだ。
「下に・・・行かなくちゃ・・・・・・」
男の身体を押し避けてからジャケットのポケットを探る。
「あった・・・」
ようやくカプセルを見つけた。それは、ご丁寧に〝解毒剤〟と書かれていた。
「行かなきゃ・・・」
男が兄たちに解毒剤を飲ませたとは、思っていなかった。その為に重怠い身体を引き摺って階下に降りた。
兄たちの居る場所へと入ると皆、身動き一つしていなかった。
「お兄、ちゃん・・・・・・」
最初に兄に口移しでカプセルを飲み込ませ残りを全員へと飲み込ませた。
「みんな・・・助かって。」
そう告げて男に飲ませた毒を自分でも煽ってから兄の横に寝そべった。