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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第38章 狂宴の彼方へ
慌ててキッチンを出て2階に向かう。
ギシギシと鳴る階段を駆け上げる。
「月良ちゃんっ、月良ちゃんっ!!」
部屋は、別荘の為多くて少女を見付けられない。声を掛けるが全く返事もない。遠くから救急車のサイレンの音がする。
「どこだ・・・・・・っ」
最後の部屋は、北側の1番奥にある。走って入る。
「月良ちゃんっ!!」
部屋の中に入ると少女は、男に覆い被さられたまま倒れていた。
「恵見、さん・・・・・・?」
少女に覆い被さっていたのは、元乙女グループ顧問弁護士の男だった。男を少女から避けて安否を確認する。
「月良ちゃん・・・月良ちゃん。」
声を掛けて呼吸を確認する。しかし呼吸が確認出来ない。
「大変だ。」
少女を抱き上げてすぐに階下に降りた。階下では、大勢の救急隊が出入りしていた。