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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第40章 自由と言う名の檻へ・・・・・・
2人で暮らしてからわがままを言ったことなどない。だから青年は、困り果てている。判っているがこのもう一つの人格が許さない。
「お兄ちゃんに逢いたい。逢わせて。」
「月良ちゃん。あれもこれもいっぺんには、無理だよ。」
「私に自由は、ないんですか?」
「月良ちゃん・・・・・・困らせないで。」
青年が本当に戸惑っている。
「私は、いつまで・・・」
「月良ちゃん。一緒に頑張ろう、ね。」
「・・・干亜さん。」
握られた手にキスを送る。それは、もう一つの人格がしているに過ぎない。それをきちんと理解しながら中で傍観している状態だった。
「月良ちゃん・・・あの、訊かないでおこかと思ってたんだけど。」
「はい。」
「良巳さんと、なにか・・・あった?」
ようやくなにやら勘付いたらしい。
「干亜さん・・・・・・」