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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第8章 飼育員に浚われる身体
「いただき、ます。」
先ほど吐いた所為か少しは、スッキリしていた。ゆっくりとスープを掬って一口飲み込んだ。
「っ、美味、しい・・・」
人間とは、哀しい生き物だ。食事をこんなときでも運べるのだから。
「あら、〝美味しい〟?」
「はい。凄く、えっと・・・」
「ああ・・・私は、恵。恵<メグミ ナオ>奈音よ。美味しくて良かったわ。」
「恵さんが作ったんですか?」
「ええ、〝かせいふ〟だもの。
家事全般から月良さまの上から下までお世話を任されていますから。」
「〝上から、下まで〟・・・?」
「ええ、そうよ。ご飯が終わったら教えてあげるわ。」
「そう、ですか・・・」
満面の笑みと含みある言葉になぜか不安になった。
食事は、以外とノドを通った。〝かせいふ〟の醸し出す雰囲気が穏やかだったからだろうか。
「ごちそう、さまでした。」