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炎の薔薇
第11章 抜け殻になって
貧乏でお金がない生活をしていれば、仕事を休みたくても休めない。
眠れぬ夜を過ごした。
二日酔いで体調もすぐれない。
それでも、考える事は和也の事ばかり。
時間は決まってないのだが、一日の始まりの朝に届いたメール。
そのメールですらも、もう届く事はない。
鏡に映る自分の姿は、疲れた老婆のように覇気がない。
無理矢理化粧をしてみたところで代わり映えしない。
誰にも相談出来ず、心に苦しみを背負って仕事に出掛けた。
若い頃ならば、気乗りしない日は平気で休みを取り、一日中ふて寝をしたりも出来ただろうに、今はそんなお金の余裕もない。
本当に情けない話だ。
それでも仕事をしていると気が紛れた。
その反面、頭の片隅で和也の事を考えてしまう。
時折、別れの言葉がフラッシュバックされてやり切れない気持ちになった。
早く帰ってお酒を飲みたい。
タバコを吹かしたい。
一人になりたい。
不健康な事をする事で、ストレスがほんの少しだけ和らいだ気になった。