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炎の薔薇
第12章 悪女の勝算
「貴女なんかに何が分かるの!!」
村雨美代子は私を怒鳴りつけた。
何にも分かりません!!
「奥様の事は私には分かりませんし、興味もないです。
和也さんにももう興味がないです。
あとは奥様のしたいようにされたらいいじゃないですか?
ご主人もお望み通り奥様の元に戻りましたし、私は和也さんと別れました。
もう二度と関わる事もないですよ」
「当たり前じゃない!!そんな事!!
貴女になんか二度と関わりたくないわ!!
それに私の夫を気安く和也さんなんて言うのも辞めて貰えませんか!!」
「はい。承知しました。
今後はお宅のご主人様と一切関わる事もなく、名前も呼ぶ事もありませんから、どうぞ御安心下さい。
理解出来ない者同士が話をしても、所詮水掛け論なんですよ。
では、もうこれで失礼したすね」
そう言い切ってから立ち上がり、コーヒーの染みだらけになったセーターを脱ぎ捨てた。
キャミソール姿になってその上からコートを羽織る。
マフラーをして、財布から五千円札を取り出してテーブルに置き、帰り際に一礼してから村雨美代子の前を立ち去った。
修羅場終了!!
村雨美代子さん、心に溜まった不満は全部吐き出すべきですね。
教えてくれて有り難う。
お目にかかれて光栄に思いますが、永遠にサヨナラ!!