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炎の薔薇
第1章 偽りのシンデレラ
今度はチーズフォンデュなんてどうですか?
和食も好きですが、チーズには目がなくて大好物なんです。
お勧めのお店とかありますか?
和也さんがチーズ嫌いでなければ、一緒に食べたいなと思って……
ーー
ー
何度も何度も思案した。
それだけ大きなものを背負った恋だった。
10年以上の歳月が過ぎようとも、今でも初めて出会った日の事を鮮明に覚えている。
今日のお礼とこれっきりにした方がいいと返信するつもりではなかったのか?
むしろ、和也のメールを無視すればこのまま終わる事も出来たのに……
それでも………
バカな選択をしたなんて思わなかった。
自分に好意を持ち、癒やしを与えてくれる男を綺麗事で簡単に手放せるほど、私は深みのある人間にはなれない。
私が幸せになって何が悪い。
不倫を正当化なんてしない。
でもそこに逃げ込む人間にもちゃんと理由はあるんだ。