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炎の薔薇
第2章 デート

「和也さんにして貰う事が凄く嬉しいから、自然と笑顔になってしまうのかも?」

「ええことやん。笑っていた方がいい。幸せな気持ちになれるしな」


 幸せだと思った。
イケナイ事をしているというのは頭の片隅にある。
いつもの休日は溜まった家事をして、少し昼寝をすればほぼ一日が終わっていた。
こうして素敵なレストランでワインを嗜みながらチーズフォンデュを頂く優雅な時間は私の頑なに曲がった心をゆっくりと解していった。


「あっ!そうそう。この間の料亭で頂いた誕生日プレゼントね、中身は白い陶器の一輪挿しだったの」

「へぇー」

「でね、娘がお小遣いで赤い薔薇の花を一輪、誕生日プレゼントに買ってくれたのよ」

「優しいええ子やね」

「うん。花が一輪テーブルに飾られただけでも心が癒されるもんだなーって思ったよ」

「だね。じゃあ、不思議な生命力の話しようか?」 

「不思議な生命力?」

 
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