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炎の薔薇
第2章 デート
「そんな風に言われたら照れるわ」
「ほんまの事よ。俺は茜ちゃんに綺麗に咲いていて欲しいんよ」
私はあなたに出会うまで過酷な現実に枯れてました。
夫の更に作った借金に追われて毎月の返済を考えて贅沢な事なんて諦めていた。
150万の借金も返せずに、結局は債務整理をしたわ。
それによって自分が欠落したダメ人間のレッテルを貼られたみたいに惨めにもなったの。
あなたならそんなバカな事はしないわね。
本当につくづく男を選び間違えたわ。
あなただったら良かったのに……
だから私は、あなたに会う日はその事を忘れて一人の女になるの。
借金に疲れた女の顔をうまく塗り変えて、綺麗な一輪の薔薇になれたらいいのに……
「和也さんはどうしてそんなに優しいの?」
「そんなん決まってるやん。好きになってしまったからに」
あなたは真っ直ぐに私を見て応えた。
「酔ってる?」
「こんな気持ち初めてやから。茶化さんでや。恥ずかしくなる」