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炎の薔薇
第3章 雫
でもいざ部屋に入れば、互いにスケベ心を隠して冷静を保とうとする。
ソファに座り、コーヒーを飲みながら、テレビをBGM代わりに点けた。
週末の情報番組にチャンネルを合わせる。
クリスマス特集なんかやっていて、ディズニーランドやUSJを比べてお勧めスポットなどの紹介をしていた。
私達が二人で過ごすクリスマスなんて有り得ない。
今日のデートが二人で過ごすクリスマス代わりみたいなもんだ。
それでも、互いの都合に合わせて月一ペースで会っていた。
会えない時間はメールやチャットで文字で毎日のお喋り。
遠距離恋愛のカップルのようにラブラブを保っている。
中年と呼ばれる年代になってラブラブというのもおかしな話だが……
それでも私達のカサカサに乾いた心に恋は潤いを与える。
「朝ご飯食べんできたから、小腹空いたわ。
折角やからルームサービス頼もうか?」
「うんうん」
真冬のディズニーランドは並んでいるのもキツイだとか、クリスマスには何故かローストチキンが食べたくなるなど他愛のない話をしながら、ルームサービスで頼んだサンドイッチやローストチキン、ナポリタンを食べてお腹を満たした。
例え、二人でディズニーランドに行けなくても、クリスマスにローストチキンを頬張れなくても、此処で満足出来る。
食事を食べ終えると、和也はバスルームに向かい、お風呂のお湯を入れた。
再びソファに戻った時は無言でキスをしてきた。
絡め合った舌先はこの先に進む合図を促す。