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第3章 雫

　不倫を婚外恋愛という言葉に置き換えて、不倫の疚しいイメージをライトな感じに表現したりもする。
やってる事は所詮不倫なんだけどね。

　セックスレスだからと言って不倫してもいいとは言わないが、不倫や離婚に至る原因になるのは仕方がない事ではないか？



「無理矢理やるわけにもいかんし、そのうちどうでもいいって諦めてしまうもんやね」

　和也は波風立てないよう、自分が我慢する道を選んだ。

　結婚してから外に働きにも行かず、専業主婦として子育てをする。
それも立派な仕事だとは思う。

　和也はそれに見合う収入も家に入れていたはずだ。
何不自由なくエリートの奥さんでいられる環境を与えて貰いながらも、夫婦の営みでもあるセックスに応じない。

　私から言わせれば、座敷豚だ。

　そんな女から和也を奪って何が悪い？

　私は和也の妻に悪いという気持ちは微塵もなかった。