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炎の薔薇
第7章 妖艶さくら
冬の間は寒さで体を温め合っていたが、春になり桜が咲く頃に私達は久しぶりにデートらしいデートをした。
九段下で下車し、牛ヶ淵から桜を眺めながら日本武道館を目指して歩いた。
満開の桜 頭上に広がる青空
私達は手を繋いではしゃいで歩いた。
心地良い春風に乗って花びらが舞い散り、ピンクの優しい雨を降らせる。
途中で一つのアイスクリーム買い、二人で舐め合った。
紫芋のアイスクリームは甘過ぎて喉が乾く。
結局、また販売機でミネラルウォーターを買って喉を潤した。
武道館に着く頃には少し汗ばみ、穏やかな春の日差しが私達を照らしていた。
武道館の入り口を抜けて今度は千鳥ヶ淵の桜を辿る。
「健康的なデートだね」
「この後……ホテルにも行きたいんやけど……」
正直な和也に笑えた。
「いつもなら茜はエッチやなって言うくせに、今日の和也はかなりエッチなんじゃない?」
なんてからかってみたりしたわね。
「桜がそうさせてるのかもしれんよ?」
詩人のように誘うから、ノッてみた。
「桜の妖精が囁いたの?」
「かもしれんなあ」
互いに顔を見合わせ笑い合う。