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炎の薔薇
第7章 妖艶さくら


 ランチが終わって二人っきりの空間に入ると、正直な男と女に戻る。

 ずっと我慢していたキスを交わして裸になっていく。
バスルームに入る前に和也は少し屈んで乳房に吸いつく。
私は和也の頭を抱えて髪を撫でる。
『これからエッチな事します』の合図みたいなもの。
シャワーを二人で浴びてベッドへと急ぐ。

 フェラチオを覚えてしまった和也は、体が洗いたてのうちにせがむようになった。
私は和也の男性器を掌で包み込み、口の中で頬張った。
最初はボディーソープの香りが漂うが、先端から零れ落ちる汁が口の中の香りを変えてゆく。
柔らかな玉も指が這うように転がしながら性器に唇を添えて舐め上げてあげると和也は何とも悩ましい顔になった。
普段は先生などと呼ばれて学会などで難しい論文を発表し、世界中を飛び回る男であったとしても、裸になって性の悦びを噛み締めればこんな顔をするもんだ。

 私はそんな顔を見せる和也を可愛がる。
どんなに願っても、妻にこんなご奉仕はして貰えないのだから。

 気持ちの届かない座敷豚に代わりに私が愛を吹き込んであげるわ。

 報われない気持ち事ごと吸い取って、男に戻してやるんだ。

 労って貰えばそれだけの礼を尽くす。

 こんな簡単な事にも気づけない座敷豚から和也を奪ってやりたい!

 なのに……
どんなに欲しても手が届かない。

 本気になってはいけない男を愛した女の運命(さだめ)なんだね……
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