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夢の欠片(くすくす姫サイドストーリー)
第2章 中編
「姫様、お替りはいかがですか?」
女とその侍女は、男の部屋で食事を取っておりました。
女が男の部屋で過ごすことになった昨日からは、家令と男が相談した末、侍女は屋敷の使用人に準じて扱われることになりました。外には出せませんが、使用人の部屋を一室充てがい、屋敷の中はある程度自由に動けるようして、部屋から出ずに過ごす女の世話をすることになったのです。

「ありがとう、もう充分よ。ごちそうさま」
「もう良いのか?」
いつもと違うことは控えろと家令に言われている男は、食事を女と一緒にとることは出来ませんが、同席して様子を眺めながらお茶を飲んでおりました。

「ええ、お腹いっぱい。もう食べられないわ」
「まだ二人分食ってねぇだろ」
「まだ二人分食べなきゃいけないほど、大きくなって居ないわよ。お腹も、ほとんど膨らんでなかったでしょう?…お父さんは、心配しすぎよねえ?」
「おと…」
女は過保護な男に向かって膨れて見せて、お腹に向かって同意を求めました。
男は女がごく自然に自分を「お父さん」と呼んだ事に一瞬衝撃を受け、その後で顔から耳まで真っ赤になり、口元にこらえ切れない笑みを浮かべました。
それを見ていた女はとても嬉しそうにくすくすと笑い、二人の様子を見ていた侍女は、涙ぐみました。

「姫様が、こんなにお幸せそうに、お元気になられるなんて…本当に、夢のようですよ」
「…今まで、心配掛けて、ごめんなさい」
腹心の侍女の手を取って、女も目を潤ませました。
「ずっと私の為を思って仕えてくれて、ありがとう。もう、馬鹿な事を考えたりしないわ」
「良う御座いました…本当に、良かった…」
侍女はまた涙ぐんで、手巾で目頭を押さえました。
その様子を見ていた男も、しんみりした口調で侍女を労いました。

「お前にゃあ、本当に世話になったな。これからもこいつの味方で居てやって、こいつと…それから、産まれてくる子のことも、ずっと助けてやってくれ」
「ええ、ええ。勿論ですとも。あんたにお願いされなくっても、ずーーーっと、そのつもりですよ」
侍女は胸を張って、男に請合いました。

「頼もしいな」
「そうよ。私の一番の味方ですもの」
女は笑って頷きました。
そんな女に笑い掛けた後、男は真剣な顔で女の両手を取りました。
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