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姫巫女さまの夜伽噺
第6章 志摩の過去
志摩は黙りこくってそっぽを向く。
その瞳には悲しみと怒りがあった。


「麻木は…それから壊れてしまったんだ」


みんなと働く事を禁止され
代わりに夜になると綺麗に着飾らされて
お客の前に出されて犯される。


そんな毎晩を繰り返した後
麻木は精神を病んでしまい
元の明るく清らかで美しい彼女では無くなってしまった。


夜になればお客の前で淫らに腰を振り
それが済めば志摩に泣きついて欲望を求めた。


寝ている時以外は
常に淫乱な欲望に支配された。


まるでそれしかする事を覚えなかった幼子の様に
男を見れば襲いかかるほどに求めた。


その為、起きていれば縛り付けられ
寝ている時は牢に入れるか
厳重に結界を張られた。


「…壊れたなら、壊れたままであれば良かったんだ…。
なのにあいつは…たまに正気に戻るんだ。
風呂上がりとかならまだいい。
だけど、客とまぐわってる時に正気に戻るんだよ」


そんな麻木に志摩は耐えられなかった。
伊良が見つめると、
志摩は視線を逸らして眉根を寄せて黙りこくった。
その表情からは
後悔しか見て取れなかった。
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