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姫巫女さまの夜伽噺
第7章 癇癪鼠
「…おい、怖いなら下でも向いてろ。
その方が色っぽく見えるぞ」
志摩の冗談に
なんとも言えない顔をして
周りを凝視していた事に気づき
伊良は慌てて下を向いた。
その方が贄っぽくていい
と穂高までくすくすと笑う。
「怖がらないで、伊良。
みんな君を見ているけれど
危害を加えようってわけじゃない。
それに、見た目は人間っぽくないから
すごく驚いてると思うけど
…みんな、高貴な妖だったり、神様なんだ」
穂高の言葉に
ほんの少し伊良の緊張がほぐれる。
しかし、やはり見た目の違いが怖くて
伊良は駕籠に入っている間中ずっと下を向いた。
神様たちが何を話しているのかはよく分からなかったが
自分がどうやらこの世界では特別扱いされているのだと気づくことはできた。
そうこうしているうちに
練り歩きと言う名のお披露目はいつの間にか終わっていた。
どっと疲れが出たのは
部屋に戻ってからだった。
たくさんの人の目に晒されるのが
こんなにも緊張して疲れる事なのかとしみじみ思っていると
ドカドカと志摩が入ってきた。