この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
姫巫女さまの夜伽噺
第9章 穂高と志摩
三人でゆっくりと縫い物をして過ごしていると
いきなり戸がカタカタと音を立て始めた。
「あ、穂高様の式だ!」
美濃がかけつけて戸を開けると
そこからひょっこりと式が顔を出す。
紙で人型に作られたそれは
志摩と若干形が異なり、胸に書いてある文字も違っていた。
「わ!」
式は美濃を飛び越して
伊良の元へとすっ飛んでいった。
そして、伊良の裾を掴むと、くいくいと引っ張る。
「え、何これ、私?」
引っ張られるままついていこうとすると
部屋の外まで連れていかれそうになる。
「何これ、どうしたらいいの?」
慌てる伊良に、近江と美濃も首をかしげる。
その間にも、式は伊良を引っ張り出そうとしていた。
「うーん、おそらく、穂高様が呼んでらっしゃるんだとおもうんですけど…。
ついていけば、大丈夫だと思います。
ご一緒しましょうか?」
お願い、と近江に頼んだところ
近江が伊良と式に近づくと、ばちんとはじき返された。
「僕は駄目みたいですね。
一人で来るようにとのことでしょうね。
大丈夫です、穂高様の式なので」
というわけで、
伊良は式に引っ張られて、穂高の部屋へと向かった。
いきなり戸がカタカタと音を立て始めた。
「あ、穂高様の式だ!」
美濃がかけつけて戸を開けると
そこからひょっこりと式が顔を出す。
紙で人型に作られたそれは
志摩と若干形が異なり、胸に書いてある文字も違っていた。
「わ!」
式は美濃を飛び越して
伊良の元へとすっ飛んでいった。
そして、伊良の裾を掴むと、くいくいと引っ張る。
「え、何これ、私?」
引っ張られるままついていこうとすると
部屋の外まで連れていかれそうになる。
「何これ、どうしたらいいの?」
慌てる伊良に、近江と美濃も首をかしげる。
その間にも、式は伊良を引っ張り出そうとしていた。
「うーん、おそらく、穂高様が呼んでらっしゃるんだとおもうんですけど…。
ついていけば、大丈夫だと思います。
ご一緒しましょうか?」
お願い、と近江に頼んだところ
近江が伊良と式に近づくと、ばちんとはじき返された。
「僕は駄目みたいですね。
一人で来るようにとのことでしょうね。
大丈夫です、穂高様の式なので」
というわけで、
伊良は式に引っ張られて、穂高の部屋へと向かった。