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姫巫女さまの夜伽噺
第9章 穂高と志摩
「困ってしまうかな、君の性格だと…」
見つめられているのだろうが
上から覆いかぶさる穂高の
目に巻かれた包帯のせいで、細かな表情までは分からない。
見えていたとしても、元々が柔和なままなので
穂高から感情を読み取るのは難しい。
「でも、戻れる機会は今回だけかもしれないよ。
だとしたら、伊良はまたもどりたいかい?」
伊良の思考がぐるぐる回って
そして、回りすぎて停止した。
「これが、最後のチャンスってこと…?」
それに穂高ははぐらかすように微笑んだ。
「伊良、僕の目の包帯をとって」
大丈夫なのか心配になったのだが
穂高が大丈夫だと言うので
伊良は彼の美しい顔に手を伸ばして
包帯の結び目を取った。
そして。
絶句した。