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姫巫女さまの夜伽噺
第9章 穂高と志摩
その穂高の淡々として、しかし、痛みを伴う言い方に
伊良はたまらず穂高を抱きしめる。
こんなに弱い彼を見たことがなく
弱々しく、しかし、柔らかな彼に伊良はなぜか涙が出そうになった。
「以前、志摩が言っていたことを覚えているね?」
そう、二人に同時に犯された時。
あの時、志摩は穂高のことを
半分は人間だと言った。
そして、憎むな、と。
それに穂高が怒って出て行ったことも
伊良は鮮明に覚えていた。
「…うん、覚えてる」
「僕は、人間と神の間に生まれた子だ」
穂高はそう言って伊良の顔を覗き込み
ひたいに口づけを落とす。
穂高は、伊良を猛烈に愛しいと思う反面
猛烈に憎んでいる自分がいて
いつもその気持ちと葛藤をしていた。
「男神の父は、その昔、
人間と交わってはいけないという禁忌を侵し人間の女を襲った。
その人間の女は妖力こそなかったものの
神界にまで噂が到達するほどの美女だった。
男って馬鹿だから、そんな噂を聞いた父は
一目見てみたいと思って、内緒で出かけたそうだ。
そして、一目見て気に入って
そのまま寝とってしまった。
そして、生まれたのが
半神半人の僕だ」
伊良はたまらず穂高を抱きしめる。
こんなに弱い彼を見たことがなく
弱々しく、しかし、柔らかな彼に伊良はなぜか涙が出そうになった。
「以前、志摩が言っていたことを覚えているね?」
そう、二人に同時に犯された時。
あの時、志摩は穂高のことを
半分は人間だと言った。
そして、憎むな、と。
それに穂高が怒って出て行ったことも
伊良は鮮明に覚えていた。
「…うん、覚えてる」
「僕は、人間と神の間に生まれた子だ」
穂高はそう言って伊良の顔を覗き込み
ひたいに口づけを落とす。
穂高は、伊良を猛烈に愛しいと思う反面
猛烈に憎んでいる自分がいて
いつもその気持ちと葛藤をしていた。
「男神の父は、その昔、
人間と交わってはいけないという禁忌を侵し人間の女を襲った。
その人間の女は妖力こそなかったものの
神界にまで噂が到達するほどの美女だった。
男って馬鹿だから、そんな噂を聞いた父は
一目見てみたいと思って、内緒で出かけたそうだ。
そして、一目見て気に入って
そのまま寝とってしまった。
そして、生まれたのが
半神半人の僕だ」