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姫巫女さまの夜伽噺
第9章 穂高と志摩
穂高は伊良に腕枕をして
横に寝そべった。
天井を見上げながら穂高は続ける。
「父はまぐわうことで満足してしまい、そのあと母親を放置した。
そうして生まれた僕は、生まれてしばらくすると
すぐに立ち上がることもできたし、言葉も理解して発することができた。
人間の世界では神童と呼ばれ、恐れられた。
母親は僕を生んだことで体力と寿命を使ってしまい
早くして命を落としてしまった。
それから僕は人間の世界にも馴染めず
神の世界にも馴染めず
たった一人でずっとさまよっていた。
そんな時に出会った、流浪の神に拾われて
そこで色々を学んでいくことができたんだ。
それが、もともとこの山にいた神だ」
伊良はおとなしく穂高の独白を聞いた。
穂高の話には悲しみもなければ、恨みや怒りも見えなかった。
ただ淡々と、その事実だけを述べていた。
横に寝そべった。
天井を見上げながら穂高は続ける。
「父はまぐわうことで満足してしまい、そのあと母親を放置した。
そうして生まれた僕は、生まれてしばらくすると
すぐに立ち上がることもできたし、言葉も理解して発することができた。
人間の世界では神童と呼ばれ、恐れられた。
母親は僕を生んだことで体力と寿命を使ってしまい
早くして命を落としてしまった。
それから僕は人間の世界にも馴染めず
神の世界にも馴染めず
たった一人でずっとさまよっていた。
そんな時に出会った、流浪の神に拾われて
そこで色々を学んでいくことができたんだ。
それが、もともとこの山にいた神だ」
伊良はおとなしく穂高の独白を聞いた。
穂高の話には悲しみもなければ、恨みや怒りも見えなかった。
ただ淡々と、その事実だけを述べていた。