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姫巫女さまの夜伽噺
第2章 目覚めし巫女
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自分がお湯に浸かっていると気づいたのは
体がほかほかと温かく
痛みが遠のく感覚がしたからだった。
愛蘭が目を開けると
「起きたか」という声が真後ろから聞こえて
抱きしめられながら
湯船に浸かってる事に気づいた。
見れば、素肌に真っ白な着物を着せられ
湯に浸かってそれが肌に張り付き
愛蘭の肌が透けてみえた。
「ちょっ…何して!」
うるせぇな、と後ろから口を大きな手で塞がれる。
暴れようとすれば後ろから抱きかかえる腕に力が入り
身動きさえ封じられた。
「暴れるな。
せっかく治してやってるんだ。
元も子もなくなるぞ。
それともこのまま暴れて着物を脱ぐか?
人間のお前は、着物が無くなれば一瞬にして肉が溶け始める。
それでもいいならもがけよ」
口を塞いでいる、大きな手の持ち主
ー志摩の脅しは淡々としていたが
それがかえって本当の事であることを告げていた。
「暴れるなよ、いいな。
俺に体を預けていろ。
そうすればそのうちに終わって
気づいたときには痛みも何もかも忘れている」
それに、愛蘭はこくんと頷く。
それを見てから、志摩が口から手を離し
拘束を緩める。