この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
姫巫女さまの夜伽噺
第11章 妖の世界
泣きながら伊良は朽葉を見た。
「なんで、そこまで嫌うの…?」
(あんなに、優しい人なのに…)
不器用で、繊細で、それでいて俺様。
伊良にとてつもない愛情を向け
そのせいで、自分が傷ついてしまうほど。
そして、人間を愛し
愛しすぎて彼らの願いを叶えるために神となり
彼らから目を向けられなくなったら
祟り神に堕ちてしまい、しかし呪うことさえできずに彷徨うほどの。
「なんでなの…?」
双子も懐いているし
あまり顔には出さないが、穂高も絶対的な信頼を置いている。
そんな彼のどこが憎らしいのか。
「あいつは、あいつは…!」
そう言って朽葉がさらに恐ろしい顔になった時
こんこん、とドアがノックされた。
しかし、朽葉は構わずに、続ける。
朽葉は結界を張っていて、
夜中の回診の時も、看護師は二人の様子には気づかず
手前に用意された幻術の伊良の様子を伺っては帰っていった。
そして、朝になった今も
その結界は続いている。
「なんで、そこまで嫌うの…?」
(あんなに、優しい人なのに…)
不器用で、繊細で、それでいて俺様。
伊良にとてつもない愛情を向け
そのせいで、自分が傷ついてしまうほど。
そして、人間を愛し
愛しすぎて彼らの願いを叶えるために神となり
彼らから目を向けられなくなったら
祟り神に堕ちてしまい、しかし呪うことさえできずに彷徨うほどの。
「なんでなの…?」
双子も懐いているし
あまり顔には出さないが、穂高も絶対的な信頼を置いている。
そんな彼のどこが憎らしいのか。
「あいつは、あいつは…!」
そう言って朽葉がさらに恐ろしい顔になった時
こんこん、とドアがノックされた。
しかし、朽葉は構わずに、続ける。
朽葉は結界を張っていて、
夜中の回診の時も、看護師は二人の様子には気づかず
手前に用意された幻術の伊良の様子を伺っては帰っていった。
そして、朝になった今も
その結界は続いている。