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姫巫女さまの夜伽噺
第11章 妖の世界
「あいつは、俺の妹を…!」
そう言った時、朽葉の顔面に
何かが直撃した。
「ぐぁっ…!」
その衝撃波のようなものに撃たれて
朽葉の顔面が変形した。
「くっ…!」
彼は痛みに顔を歪めると
それが飛んできた方を睨み返す。
その衝撃波の影響なのか
伊良を縛り付けていた紐がほどけ
ハラハラと青く燃える。
(狐火…!?)
伊良が解放された手足をかばっている間も
朽葉は痛みに唸り声をあげた。
血がでているのか、ポタポタと赤黒い液体が流れ出る。
「あいつ…また、俺の邪魔をするかっ!」
そう言うと、朽葉は伊良の首元に舌を這わせ
そこの皮膚を剥ぎ取るように舐めた。
「いやっ!」
じゅ、という皮膚が剥がれる音と
焦げ臭いにおい。
「覚えておけ、お前は俺のものだ!
その呪いは、俺以外の男に触れると発動し
無差別に男を求めるが、俺に抱かれない限り解けない呪いだ!
俺を求めて、苦しめ伊良…」
にんまりと笑うと
朽葉は去っていった。