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姫巫女さまの夜伽噺
第11章 妖の世界
伊良が首筋に触れると
そこにはゴツゴツとした何かがあり
皮膚を凸凹にしていた。


呪いの波動なのか
触れるとビリビリと電気が流れるような痛みが走る。


「志摩、助けて…」


先ほど、朽葉に攻撃したのは
おそらく志摩だと伊良は思った。
狐火が手足の枷を焼き払い
そして、その一部が伊良に触れた時
どうしようもないほどの感情が
炎を伝って流れ込んできた。


その暖かさに、体中が呼応し
全身の血流が逆回りするほど。


「志摩、ここにいる…見つけ出して…お願い…」



(神様…)



どうか、いるのなら。
志摩に思いが届きますように。


伊良はそう強く願った。
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