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姫巫女さまの夜伽噺
第2章 目覚めし巫女

(…本当に人間じゃないんだ…。
見た目は人と変わらないのに…)


体の痛み。
そして今は体の安らぎ。
触れられた生々しい感触。
そして、目の前の美しい男。


全てが現実離れしているにもかかわらず
全てこれが現実だと
受け入れざるを得なかった。


「出ないのか、愛蘭」


呼ばれて、愛蘭は下唇を噛んだ。
出たいのだが
着物は志摩が持っている。


今、お湯から出ようものなら
愛蘭は生まれたままの姿を
志摩に晒すことになる。


「なんだ、まだ恥じているのか。
あんなに淫らなのを俺に見せておいて、今さらだな!」


湯船から出ようとしていた志摩が
ザバザバと水をかき分けてやって来る。


「そんな、待って待って!」

愛蘭は恥ずかしさが極まって
思わず後ろを振り向く。
しかし、それが仇となった。


長い髪の毛を引っ張られ
あっという間に抱きかかえられてしまった。
それも、お姫様抱っこと呼ばれる抱き方で。
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