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姫巫女さまの夜伽噺
第3章 儀式
穂高の其れは柔和な彼とは大違いで
桁外れの大きさと太さを誇り
まるで悪鬼のようだった。


入り口付近で停滞する其れは
初めての愛蘭でもわかるほど大きく熱い。
どくどくと脈打ち
ものすごい硬さを維持しながら
愛蘭を突き刺そうとしていた。


「志摩…駄目だ。呪禁(じゅごん)を」


痛みに泣きわめく愛蘭の涙を
上から伸びてきた志摩の手が拭った。


頭上から愛蘭を覗き込み
顔に手を当てる。


黄金色の瞳に
愛蘭の泣きはらした目が捕らえられた。


「…、志摩…」


そこにはなんの感情も見当たらないほどに
整った志摩の顔があった。


「志摩、早く。
この子は逸材だよ、この僕が引きちぎられそうだ…」


穂高の汗ばむ額を見て
志摩がほんの少しだけ驚いた顔をして頷く。


「分かった」


志摩はそう言って目をつぶり
そしてまた黄金色の瞳で愛蘭を射抜くと
愛蘭にだけ分かるくらいほんの少しだけ
唇の端を持ち上げる。
そして、唇を重ねた。
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