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愛DoLL☆美しき野獣
第6章 六章
一階のリビングに二人が行くと、全員勢ぞろいしていた。
その中に、真琴の見覚えのある顔があった。
「ジゼルじゃないか?」
あの孤島で暮らしていた島民長のジゼルが頭を下げた。
「真琴様、お久しぶりです。」
「やっぱりお前、LOVE CONPANYの一員だったんだな?」
「はい。一応幹部をしております。」
「へぇ?結構偉い人だったんだね?」
「まぁ、それなりには。」
そして真琴が次に目に入ったのは、全然見覚えのない、男の人。
メガネをかけて、きちっと整えられた髪型をした彼女の兄の千秋だった。
背は180cmはありそうで、すらっとした一見クールな感じのタイプだ。
「あなたがあたしのお兄さん?」
「一応、そうだと、言っておきましょうか。はじめまして、真琴さん。今の段階では、僕が君の仮の保護者になります。」
その言い方は、とても冷たい響きを帯びていた。
「あ、あの、お父さんは?」
「今父は、会長職につかれて、会社のことは全部僕が一任されています。」
「でも、あたしたちは家族じゃないか?これは会社のこととは違うだろ。」
「違わないですよ、真琴さんは生まれた瞬間から、東堂家のモノだ。我ら一族は会社に奉仕する義務がある。そう、教えられなかったのですか?」
「知らない、そんなの!!」
「まったく、ジゼルは!!真琴さんをどういう風な育て方をしたのですか?」
「すみません、千秋様。」
ジゼルは深く頭を下げていた。
「まぁいい。君はこんな形で東堂家の役に立てたのだからね?」
「・・・兄ちゃん!!!どうしてそんなこと言うの!!!あたしたち血の繋がった兄弟なのに!!ひどいじゃないか!!」
真琴はひどくショックを受けていた。
「一応、血は繋がっていますが、個人的には君を兄弟だと思いたくないんでね。所詮¨DOLL¨なんて、金持ち相手の愛玩具にすぎない。穢れてる人形だ。」
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