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愛DoLL☆美しき野獣
第8章 八章

「ここから出せよ、くそ親父!!!」
「わしに口答えするな!!お前はこの木下家の跡取りなんだぞ?」
「跡取りなんか、親戚の誰かに任せればいいんだ!!俺は、俺の人生は自分で決めてやる!!」
「あの¨人形¨はよくやってくれた。ジャックスホード家の若造を一ヶ月足らずで落とすとは、全く只者じゃないな。もう、お前のものにはならん。」
「どういうことだ?」
「お前は、あの¨人形¨に、惚れてるのか?」
登の眉がピクリと吊り上った。
潤は静のときのことを思い出す。
駆け落ちした静の家に、親父は、とてもひどい仕打ちをした。
この人に、安易に自分の気持ちを悟られたら、おしまいだ。
と、思いとどめ、潤は無表情で、言う。
「ただ、俺は真琴をエドワードから離したいだけだ!!あいつは俺と静が駆け落ちしたせいで¨DOLL¨にされたんだぞ!!解放してやりたいって思うのが、人としての道理だろ!!」
「ふん、お前は優しすぎるな!!確かにわしはお前のその気持ちを利用した。」
「最悪だな・・?」
「何とでも言えばいい。しかし、そんなにエドワードという男は、危険な男なのか?おかしいな、お前が、わしに反発して何年も一緒に暮らした男じゃないか?」
「俺はあれほど傲慢で独占欲の強い男は見たことがない、もしもあいつと真琴が結婚することになったら、真琴が絶対に不幸になる。」
「ならもう一度きく、お前の気持ちは恋愛感情じゃないのだな?同情心とやらか?」
「そうだ!!!」
決して気持ちを父に悟られまいと、まっすぐ前を見つめて潤は言い切った。
「ほう~。ならば安心するが良い。」
「はぁ?」
「東堂真琴は、ついこの間、ジャックスホード家の養女になったんだ。婚約者としてでなく、今は彼の妹として幸せに暮らしているだろう。」

