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愛DoLL☆美しき野獣
第8章 八章

そして、日曜日。
演劇はアルカディア市谷の富士の間で行われた。
劇団新刊線の「バラと鎧。」
主演は大物女優天美有希というすばらしいキャスティングで、大歓声のまま幕を閉じた。
その公演後、立食ビュッフェスタイルで、各著名人などが集う公演会パーティーが始まった。
真琴は頭に可愛いピンクのバラのテェアラを乗せ、白いシルクの清楚なワンピースを着て、エドワードは紺のタキシードを身にまとっていた。
先程から、たくさんの有名な芸能人や政治家たちに声をかけられ、真琴は少し緊張気味だ。
こういう場は生まれて初めてで、島育ちの彼女には、どうも慣れそうになかった。
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。そこまでの大物は集まってないパーティーだから。所詮、日本の企業のお偉い方や政治家と芸能人だらけのお気楽パーティーだ。」
エドワードの地位は世界をまたにかけて動いている。
彼の言うとおり会場内には、それほどの大御所は見当たらなかった。
しかし真琴は疑問に思った。
周りを見れば、女性同伴者の者は多くない。
「なんで女の子が必要だったの?」
「昔からあるオレの同性愛についての噂から、どうしても女の子のパートナーが必要不可欠だったわけさ。日本という国は、同性愛者についての理解がまだ乏しいんだよ。」
「・・・そうなの?」
「そう。ま、オレ自身はどう思われてもいいんだけど、一応大財閥の日本支社社長としての建前というのは、あるからね。」
「・・そっか。」
「今日の真琴の姿は、誰が見ても綺麗だと思うよ?まぁ、全然オレの好みの服じゃないけど。」
「でも、このドレスを選んだのは、あなたよね?」
「あれ、気がつかなかった?それは潤の好みに合わせたドレスなんだよ。」
「えっ?」
ドキンとして、真琴は、目を見開く。
そんな彼女をよそに、エドワードは、変らず笑顔を絶やさない。
「それより、どう?演劇は楽しかった?」
「ええ、とても、面白かったけど。」
「そっか、それは良かった。」
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