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愛DoLL☆美しき野獣
第9章 九章
真琴は、久しぶりに潤の黒いベンツに乗った。
なぜか、車内の香りが懐かしい。
真琴は頭のティアラを取り、ハンドバッグを握りしめた。
胸がドキドキして、心臓がはち切れそうだった。
久しぶりに見た潤の姿は、黒のアルマーニのスーツを嫌味なく着こなしていて、すごく、かっこいい。
「腹、減ってないか?」
「空いてます!!結局パーティーで何も食べれなかったから。」
「そうか、じゃ、お前のうちに向かうついでに、みなと未来で、食事でもするか?」
「お任せします。あの・・腕は大丈夫なんですか?」
「ああ、骨は繋がった。それより、エドは先に帰ると言っていた。お前の門限は12時らしいぞ?」
「そうなんですか。一体あの人・・何を考えてるんだか・・・とにかく、骨が繋がって良かったです。」
「エドのすることは、俺にもよく分からん。さっき話したら、俺をジャックスホード家の婿養子にしたいらしいぞ?」
「えっ?」
「今の俺の家の状況を考えたら、無理な話しだがな。」
「そういえば、潤さんのお家のこと、大丈夫なんですか?」
「ああ、親父に条件を出された。」
「どんな?」
「俺は今、精神制御されている¨DOLL¨と一緒に暮らしてる。」
ズキンと、真琴の胸が痛むが、自分も人のことが言えない状況下にある。
だから一人前に、やきもちをやける立場でないことを真琴は充分に分かっていた。
「その¨DOLL¨と一年暮らせば、本当に自由にしても良いらしい。」
「静おねえちゃんのことは・・・?」
「ああ、静とはもうずっと会っていない。もう忘れなきゃならない女だ。第一あいつは結婚してるしな。それに・・・。」
「それに?」
「大事なものが目の前にいるから・・・な。」
「・・・・・!?」
潤は手を伸ばして、真琴の頭をぐしゃぐしゃにした。
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