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愛DoLL☆美しき野獣
第9章 九章


潤が自宅に着いた頃には、時刻はもう午前2時を回っていた。

白金のマンションに着くと、響が玄関で立って待っていた。

相変わらず目は死んでいるが、よく喋るし、¨DOLL¨の割には愛嬌はあった。

彼女は頬にえくぼを作りながら笑う。


「おかえりなさい。」


「ああ。」


「ご飯は食べましたか?」


「ああ。」


「お風呂はどうしますか?」


「入る。」


「では、バスタオルと着替えをお持ちしますね?」


「ああ。」


「今日は何か良いことがあったんですか?」


「なんで分かるんだ?」


「僕はあなたを・・あなただけを見ていますから。」


その言葉に、潤は、ぎょっとする。


「俺に惚れるな。俺には好きな女がいる。」


「そうですか、その人と、幸せになれると良ですね?」


「は?」


「僕はあなたが好きです。あなたの幸せが僕の幸せです。」


「それはお前の脳にインプットされている感情だろ!!!」


「でも、僕は潤さんが好きなんです!!!」


潤は、はっとして、響の腕を掴んだ。


「もしかして、もう、自我が目覚めたのか???」


しかし響の瞳は、精神制御されている証として、とても冷えた瞳の色をしている。


「今度その人に会わせて下さい。僕もその人のことを好きになりますから・・・。」


潤は頭がクラクラした。

(気が変になりそうだぜ・・・。こいつは今までの¨DOLL¨の中で一番始末が悪い。純粋で、無垢な心を持っていやがる・・・。)


「どうしたんですか?潤さん、気分が悪いんですか?」


「いや。」


「大丈夫です。僕がずっとあなたのそばにいますから・・。」


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