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愛DoLL☆美しき野獣
第10章 十章


「なっ…!?」


自己紹介しただけなのに、その傍若無人な態度に、美咲は、絶句する。


「失礼、月島美咲さん。潤がいきなり、ごめんね。でも、真琴が窒息死したら、大変だから、腕を離してくれないかな?」


「は、はい。」


美咲は、エドワードの物腰の柔らかさに、ボーっとした。

彼の容姿は、まるで絵本の中に出てくる王子さまみたいだった。

美咲は、真琴を離した。

そのとたん、エドワードは、そのまま真琴をぎゅうっと抱き締める。


「真琴、寂しかった?ひとりにさせて、ごめんよ。」


「てめえ、何どさくさに紛れて、真琴抱き締めてんだよ?」


「良いじゃん、潤のケチ。」


潤に渡すものかと、さらに力を込めてしまう。


「兄さま、苦しい。」


「あ、ごめん、力入れすぎた。」


慌てて真琴を離したエドワード。


「たく、真琴をもっと大事に扱え。」


「はい、はい。わかりましたよ~だ。」


「てか、腹へった。メシ行くぞ?」


「そうだね、潜ってお腹すいた。ご飯食べに行こ、真琴。」


潤は、真琴の肩を抱きエドワードは、真琴の腰に手を回した。


そのただならぬ三人の関係性に、美咲のプライドが粉々に砕け散ったような気がした。
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