この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛DoLL☆美しき野獣
第10章 十章
一方、美咲の親友らは、バスタブに寝かした真琴を、引っ張り出して、どうやって、運び出すか考えていた。
民宿の外は、消防団や救助隊員や、他の観光客でいっぱいだ。
民宿の裏口から出るにも、目立ちすぎる。
「ねぇ?この子、小柄だし、美咲の持ってる大きめなキャリーバックの中に入らないかな?」
「ああ、体を折り畳めば、入りそう!ナイスアイディア♪」
「ちょっと待って、今中身全部出すから!」
「早くして?イケ面たちが来ちゃったらまずいから!!」
「…んっ…ん?」
真琴が目を覚ました。
そして、自分が口を封じられて、縛られていることに、驚く。
「あ、ヤバイよ、目を覚ましちゃったよ。」
「今、全部、出したから、早く中に入れちゃえ!!!」
「「!?」」
真琴は、目を見開いて体を捩るが、二人に、キャリーバックの中に押し込まれてしまう。
そのあまりの非常事態に、危険を察して、唯一自由が効いた髪を振り乱し、真琴はヘアピンを落とした。
(これは、兄さまが、フランスの出張に行ったときにお土産でもらった、ヘアピン。兄さまなら、きっと、気がついてくれるはず。)
美咲の親友らは、真琴に悪魔の笑みを浮かべる。
「別に本当に海に捨てたりしないから、安心して?」
「あんたが見つかった頃には、あのイケ面の隣には、美咲がいることになるでしょうけど♪」
「あんたみたいな貧相な女よりも、美咲のがよっぽど可愛いわよ!!!」
「「ねぇー♪」」
「じゃあ、しばらく、ここで、おとなしくしてなさい。」
「「…んん!!!」」
真琴は、涙を流しながら、首を振るが、キャリーバックの蓋は、無情にも閉められてしまった。
.