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愛DoLL☆美しき野獣
第10章 十章


一方、美咲の親友らは、バスタブに寝かした真琴を、引っ張り出して、どうやって、運び出すか考えていた。

民宿の外は、消防団や救助隊員や、他の観光客でいっぱいだ。

民宿の裏口から出るにも、目立ちすぎる。


「ねぇ?この子、小柄だし、美咲の持ってる大きめなキャリーバックの中に入らないかな?」


「ああ、体を折り畳めば、入りそう!ナイスアイディア♪」


「ちょっと待って、今中身全部出すから!」


「早くして?イケ面たちが来ちゃったらまずいから!!」


「…んっ…ん?」


真琴が目を覚ました。
そして、自分が口を封じられて、縛られていることに、驚く。


「あ、ヤバイよ、目を覚ましちゃったよ。」


「今、全部、出したから、早く中に入れちゃえ!!!」


「「!?」」


真琴は、目を見開いて体を捩るが、二人に、キャリーバックの中に押し込まれてしまう。

そのあまりの非常事態に、危険を察して、唯一自由が効いた髪を振り乱し、真琴はヘアピンを落とした。


(これは、兄さまが、フランスの出張に行ったときにお土産でもらった、ヘアピン。兄さまなら、きっと、気がついてくれるはず。)


美咲の親友らは、真琴に悪魔の笑みを浮かべる。


「別に本当に海に捨てたりしないから、安心して?」


「あんたが見つかった頃には、あのイケ面の隣には、美咲がいることになるでしょうけど♪」


「あんたみたいな貧相な女よりも、美咲のがよっぽど可愛いわよ!!!」


「「ねぇー♪」」


「じゃあ、しばらく、ここで、おとなしくしてなさい。」


「「…んん!!!」」


真琴は、涙を流しながら、首を振るが、キャリーバックの蓋は、無情にも閉められてしまった。



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