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愛DoLL☆美しき野獣
第10章 十章
「どうぞ。散らかっててごめんなさい。」
そう言うと、美咲は、後ろ手に部屋の内鍵を締めた。
「どう見ても、これは、散らかり過ぎだろ。」
「ごめんなさい。帰る仕度してたから。」
「とりあえず、部屋の中を全部見させてもらってもいい?」
「良いわよ♪」
エドワードと潤は、部屋の隅々まで確認したが、真琴の姿は何処にもいなかった。
「いねぇーな。やっぱり海に落ちたのか…。」
「真琴は、泳げないんだ。落ちてから、20分以上経過してる。もう、助からないかもしれない…。」
「おい、不吉なこと言うんじゃねぇよ!!!」
「もし真琴がこの世からいなくなったりしたら、オレ…。」
エドワードは、珍しく涙声になっていた。
「…エド…。」
潤もまた、目尻に涙を滲ませる。
その様子を見ていた美咲は、心の中で、イラつきながらも、嘘泣きを始めた。
「…うっう、真琴ちゃん。二人を残して天国に行っちゃうなんて…。」
「「…はっ!?」」
潤とエドワードは、突然泣き出した美咲に、びっくりする。
「…真琴ちゃん、あなたたち、二人に愛され過ぎて、すごく悩んでたみたいなの…。」
「そんなことまで、あんたに話したのか、真琴は?」
「…ええ。すごく短い間だったけど、わたしのこと、本当のお姉さんみたいに慕ってくれて。」
「「はっ?」」
二人に注目されてると勘違いした美咲は、うるうるした上目使いで、言う。
「…ねぇ?あたし、真琴ちゃんの代わりになってあげようか?」
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