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愛DoLL☆美しき野獣
第10章 十章
その夜。
コテージに戻って、傷心で疲れきった真琴を寝かしつけると。
エドワードは、早々に帰り支度をし始めてしまった。
そんな彼の行動に、潤はかなり戸惑っていた。
「おい、旅行日程は、まだあと2日残ってるぞ?」
「急に、仕事がはいったんだ。後は、潤と真琴で楽しんで。」
「はっ?」
「今、港に知念さんのとこの自家用クルーザーを出してもらってるから。今夜は那覇に泊まるよ。」
「おい、待てよ!!!!」
潤は、エドワードの後ろ姿がとても寂しそうに見えて、つい、引き留めてしまう。
「エド!!!!」
潤に握られた手を振りほどけない。
「頼むから、今、こっちを、見るな!!!!」
本当は、真琴の傍にいたい。
潤と二人きりにさせたくない。
だけど、気がついてしまった。
真琴の本当の気持ち。
他人にお人好しにも程が過ぎる、彼女の優しさが、エドワードを追い詰めてしまった。
あの時の言葉の続きは…
「真琴…どうして君はっ!!!!!」
"オレを見てくれないんだ?"
自分は、潤を止める道具でしかない事が、すごく悲しかった。
そして、何が彼女の幸せであるか、その時に悟ってしまったから…。
自分は、こうするしかないと思った。
「潤、真琴を泣かしたら、許さないから!」
「…ざけてんじゃねぇぞ。」
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