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愛DoLL☆美しき野獣
第10章 十章
季節は、秋になった。
「兄さま、早く早く!!!遅れると潤さんが、怒っちゃうよ!!」
「はいはい、真琴は、いつからそんなに、せっかちになったの?」
「だって、二人きりのデートなんだよ?遅刻出来ない。」
「オレがお膳立てしたんだ、感謝してほしいな。」
真琴は、鏡台の椅子に座っているエドワードの膝の上にちょこんと、座った。
「ありがとう、お兄さま。」
本当に嬉しそうに、鏡越しに自分に向かって微笑む彼女に、エドワードも、幸せな気分になった。
「真琴、思いきり楽しんで、おいで?」
「うん。兄さま、大好き♪」
真琴は、エドワードの背中に腕を回し、ぎゅうっと、抱きしめる。
愛してるよ、真琴。
君の幸せが、オレの幸せでもあるんだ。
でも、心の中だけでも、ひとりの女性だと思わせて。
エドワードは、真琴の髪にピンを留める。
あの夏、最後に彼女を抱いた思い出を、忘れないように…。
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