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愛DoLL☆美しき野獣
第11章 十一章


響の発狂した叫び声を聞きつけた医療スタッフが病室に入って来た。

彼らはボコボコにされている潤の姿を見て、驚き、急いで注射器を取り出した。


「今、患者に鎮静剤を打ちますから!!!」


「やめろ!!響に、やたらめったら薬を使うんじゃねーよ!!!!!」


「しかし、こんな興奮状態のままじゃ、患者が流産しかねませんよ!!!」


響が、潤の腕に噛み付いた。


「・・・っいって!!!」


「・・・ぎゃあああーーーっ!?」


叫びながら、何度も何度も、腕に噛み付く。

歯形からは血が滲み出ていた。


「響!!!よく聞け!!!!俺はお前から逃げない。絶対に逃げたりしないから、安心しろ!!!!」


潤は響の両腕を掴み、彼女の背中を何度も摩る。


「・・・はぁ・・はぁはぁ。」


「そうだ、落ち着け!!!大丈夫だ、お前はひとりじゃない、どんな姿になったって、ずっと俺がそばにいてやるから、安心しろ。」


「い、いやぁぁああああーーーーっ!!!!!」


そんな響の発狂は、一時間にも及んだ。

暴れて疲れ切って眠った彼女に、医療スタッフが慎重に検査をし始め出した。


「あと4ヶ月が正念場ですかね?胎児の体重が700gに達すれば、帝王切開による術式手術で、胎児は助かるんですが・・母体が持つかは分かりませんね。」


「俺が精神安定剤代わりになる。だからどんなことがあっても、響を死なせるんじゃねーよ!!!!」


そんな彼の身体は、もう痣だらけで、噛み付かれた傷跡は無数に広がっていた。


「我々は、あなたの身体や精神の方が心配ですよ?」


「こんなの、これから味わう地獄に比べりゃ、どってことないだろ??」


「は、は?」


「とりあえず、もう彼女の身体をいじるな!絶対に薬漬けにするな!!!洗脳や記憶改竄もやめろ!!」


「はい、出来るだけそうしますが・・。」


「おい!!いちいち親父に命令を仰ぐんじゃねーぞ?」


潤は、これでもかっていうくらい、睨みつけた。
彼らはあからさまに動揺して、ただ、コクンと頷いた。


「は、はぁ。」


「よし!!これから少し出かける、何かあったらすぐに俺を呼べ!!!」


潤は急いで秘書に掛け合い、仕事用の携帯を受け取り、すぐに研究ラボを出た。


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