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愛DoLL☆美しき野獣
第12章 十二章
「・・・・・・。」
「・・・エドさん?」
彼は何も言わずに、真琴を解放した。
彼はすぐに後ろを向いてしまったので、その表情は全く読み取れなかった。
真琴は不安になって、もう一度声をかけた。
「あ、あの、エドさん・・・?」
起き上がって、彼の腕に触れようとした途端、彼に横目で一瞥される。
ゾクっとする。
その瞳は、深い湖の底のような、とても冷めた目をしていたから。
「君はもう、オレのことを、兄さまとは、呼ばないんだね?」
「・・・はい。」
「これからも、もう、そう呼ぶつもりはない?」
真琴は再びゴックンと唾を飲み込んだ。
なぜか緊張して、身体が震えてしまう。
でも、もう決心したことだから、コクンと頷いた。
「はい、あたしは、もう、ひとりの男性として…あなたを、見ています。」
「・・・・そう。」
さっきから、美しい横顔で、視線だけが注がれている。
その顔は無表情で、真琴には彼が何を思っているのか、さっぱり検討がつかなかった。
自分がお嫁さんにして!と言えば、彼ならきっと喜んでくれると、思っていた。
しかし、打ち明けたときの彼の態度は全然違った。
なんとなく、怒っているような感じさえした。
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