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愛DoLL☆美しき野獣
第12章 十二章

オレは、こうなることを、予測していたのかもしれない。
木下登のやることは、だいたい想像が出来た。
潤に、自分に送られた¨DOLL¨が女であり、肉体改造や精神制御されていると聞かされて、オレの予想は確信へと変った。
数ヵ月後、必ず潤は、送られてきた¨DOLL¨を取る羽目になるだろうと薄々感づいていた。
傷ついた真琴を、オレは抱きしめる覚悟も出来ていた。
だけど、彼女は、いきなりオレを誘惑するようにキスして結婚して欲しいと言ってきた。
ウソだと、思った。
本当に一番すきなのは、潤のくせに。
そうか・・・彼女は、傷ついた自分へのオレが下す、潤の制裁を恐れてそんなことを言ってきたのか・・。
オレはそんなに信用がないの?
真琴にとってオレは、潤への恐怖の対象としてしかないの?
それを悟ったとき、どんなに傷ついたか、分かる??
ずっと君を愛したいと思った、兄でも何でもいい、君の近くにいれるなら・・・・潤と結婚しても構わない。
君が幸せになって、笑顔でいれるなら。
本気でそう思っていたんだよ。
でも、君はオレを好きだと、ウソをついた。
潤のために・・・。
君が兄さまと呼ばなくなった。
本来なら喜ぶべきことなのに、オレは全然嬉しくなかった。
この時。
オレのプライドも、純粋に君を幸せにしたい気持ちも粉々に砕け散ったんだ。
もう、許せないと、思った。
気がついたらオレは彼女に暴力を振るっていた。
見え透いたウソをついた彼女が、本気で許せなかった。
ねぇ、真琴、知ってた?
オレは愛にひどく脆いんだよ。
君を今も愛してる・・・。
だけど・・・ひどく憎いんだ。
君の代わりに誰かを抱こうとしたけど、抱けなかった。
オレはもう、君以外いらない。
好き。
好きだよ、真琴。
だけど、その分、憎いんだ。
心は潤にあげる、身体はオレにくれ。
その願いは叶ったはずなのに、心が苦しいのはなぜだろうか・・・・・。

