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愛DoLL☆美しき野獣
第12章 十二章



真琴は、トイレの中に篭っていた。

用を足し、手を洗って、電話を握り締めている。

誰か、助けを呼ぼうか。

しかし、自分の保護者であるフデレリックやクリスティンは、無理だろう。
当てに出来そうにない。

きっと自分とエドワードの結婚を、心から喜んでいるはずだ。

実の兄である千秋も、絶対に当てに出来ないし、姉の静も居場所すら知らない。

何度考えても、当てに出来るのは、潤しかいなかった。

彼なら、どこか遠くへ逃げれる場所を知ってるかも知れない。

決して響さんとの間は邪魔しないから。

あたしをこの屋敷から、出して欲しい。

真琴は、今この状況から、逃げたくてしょうがなかった。

ちょっとした自分の態度や言葉だけで、一から十まで把握してしまう、エドワードの聡明さに、また恐怖を覚える。

・・・あたしがついたウソも、きっと全部見透かされているはず・・・。
それが全部裏目に出てしまったのかもしれない・・・。
なんとか潤さんに連絡を取りたい。


しかし真琴は潤の携帯番号を知らなかった。
が、しかし彼の秘書の携帯の電話番号は知っていた。

昔まだ3人で白金のマンションで暮らしてた頃、塾の送り迎えは彼が出来ないとき、秘書の人に送り迎えをしてもらっていた。

そのときに、名刺をもらっていたのだ。

幸いなことに、彼女の携帯番号は、なんとなく覚えやすい番号だったから真琴は暗記していたのだ。

あの頃の潤は、エドワードに警戒していた時期だったから、もしかしたら、秘書の人に電話をかけても、ばれないかもしれない。

一筋の光が見えてたら、真琴は番号を、すぐに押していた。


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