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愛DoLL☆美しき野獣
第12章 十二章


「はい。木下電工株式会社秘書課の宇都宮です。」

ワンコールで、彼女はすぐに出た。



「あたし、東堂真琴です。宇都宮さんは、あたしのことを覚えていますか。」


「はい、もちろんです。」


「潤さんいますか?」


「あいにく、社長は長期休暇を取っていまして、会社に出勤しておりませんが。」


「そうですか。あの、すみませんが、彼の携帯番号を教えてもらうことは出来ませんか?」


「わたくしから、社長の携帯番号を人にお教えすることはできません。」


「お願いします。とても重要なことを彼に伝えなきゃならないんです!!」


「では、用件はわたくしが承ります。」


「じゃ、潤さんにあたしから電話があったことだけ伝えてください。」


「はい、畏まりました。」


「お願いします。」


電話を切ると、電話を捨てて真琴はトイレから出た。

重たい錘を引きずって、すごく歩きづらい。

真琴は一先ず自力でここから脱出することを考えた。

この状態で、外に出れば、異常を察した誰かが、きっと助けてくれると思ったのだ。

階段にさしかかり、錘を両手で持ちながら降りていると、遠目で主寝室の扉が開いたのがわかった。

彼が来る!!!
と焦った真琴は、重い錘を落としてしまう。

そしてバランスを崩した身体ごと、階段から滑り落ちてしまった。

ドーンードーンードーーーーンという鈍い音が辺りに響き、真琴は頭を強く打って気絶した。

その音に気がついたエドワードが、すぐさまそこへ駆けつけると、気絶した彼女を抱き上げて、寝室へと運んで行った。



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